画像ノイズ選択的除去と鮮明な画像化
画像情報を波の情報に変換し、ノイズが含まれる高波長成分からノイズを選択的に除去します。
可能な限り低いX線量を用いて十分な診断画質を得ることは、診断による患者の被ばくを軽減することにつながります。これは、放射線撮影において最も重要な課題の一つです。しかしながら、X線の線量を低くすると、ノイズにより画質が低下してしまいます。
ノイズを除去する一般的な手法として、空間領域では線形フィルタ、メディアンフィルタなどがあり、周波数領域ではフーリエ変換を用いたウィナーフィルタなどがあります。非線形処理であるメディアンフィルタは、エッジの保存とインパルス性のノイズに有効ですが、ガウス性のノイズに対してはうまく機能しません。また、空間線形フィルタやウィナーフィルタをはじめとする周波数空間フィルタは、空間分解能を低下させるという傾向があります。
これに対してウェーブレット変換を用いたアプローチは、画像の局所的特徴であるエッジ成分(必要な情報)を失わないでノイズ成分を選択的に除去することが可能です。
ウェーブレット変換による方法 → 位置に応じたノイズの分散の変化をとらえて処理することが可能です。
ウェーブレット変換時のスケーリング係数を利用して、各領域でのカウントの平均値を抽出し、ノイズ除去に利用します。