昭和大学歯学部歯科放射線学教室 岡野教授

アクシオン・ジャパンのPanoACT-1000は、エックス線を直接電気信号に高速変換する半導体検出器(CdTe:カドミウムテルル検出器)と米パノラミック社のパノラマ装置およびPanoACTソフトウェアを組み合わせたデジタルパノラマレントゲンである。

PanoACT-1000は、独創的な画像処理を有しているため、最適なコントラストや高い分析能とダイナミックレンジを持つ、世界最高水準の画像を提供している。また、撮影後、瞬時に画像表示されるので、診断にかかる作業時間を短縮することができる。最大の特徴であるPanoACT機能は、他社にない非常にユニークな機能で、1回撮影すれば、tomosynthesisという技術を用いて、撮影後の画像を軌道変更ないしは角度変更し、画像再構成を行うことができる。このため撮影現場でよくある患者の位置づけエラーが判明しても、再撮影をする必要がなく、適切な画像を再構成できる。また、パノラマデータから確認・診断したい部分/領域(ROI)を切り抜き、テンプレート上に貼り付け、管理することができることも大きな特徴の一つである。
 今後、市場では、画像情報や患者情報の電子化が進むことが予想されるが、PanoACT-1000は、市場のニーズに応える機能を持っている。

PanoACT-1000で実現された画像技術は、CTもしくはコーンビームCTなどの次世代装置に応用が可能であり、アクシオン・ジャパンの独創的な発想で、他に類を見ない画像品質・機能を持った装置が提供できるであろう。現在、当方で本学医の倫理委員会の基準に沿った臨床評価を行っているが、特に問題点はなく良質な画像が得られている。

2008年8月22日