牛久保矯正齒科 牛久保 順一
私が35年前に大学を卒業して最初に勤務した新宿の矯正専門医院には、パノラマはシーメンス、セファロは辰巳産業のドラゴンが設置されていました。どちらも素晴らしい解像度で画像を読影する事ができ開業するならシーメンスをと思ったものでした。
30年前に診療所ビルを新築する事となり、両親の一般歯科と併設して矯正専門の診療所を作った際、レントゲンはコストと性能の兼ね合いでセカンドオーダーとして朝日レントゲンの製品を導入する予定で建築を開始しました。
建築現場を偶然見かけた小学校時代の同級生が、モリタのレントゲン部門に勤務していて、「今度べラビューという新機種を出すので是非検討して欲しい。画質には絶対自信があります。」と言うので、カタログの資料だけを頼りに機種変更をしてしまいました。
新製品だった為、導入時使用説明書も製本された物では無くコピーでしたが、性能的には満足できる物でした。
数年後にはレントゲン室も増築して後継機種であるラドピューターも追加で購入し長年使用しておりましたが、時代は徐々にデジタル化の波が押し寄せデジタルレントゲン装置も色々検討しましたが画像に満足できる物が無く、IPレントゲン装置であるコンビXを導入し一応のデジタル化を行いましたが、フィルムと比較すると明らかに読影量が低下しそれでも我慢して使用を継続しておりました。
5年程前のデンタルショーの際に送られてきたアクシオンからのダイレクトメールが気になり出かけて見ました。 当時のパノアクト1000という機種は素晴らしい解像力だった事を覚えています。
そこで社長とお話し矯正専門医なのでセファロ付きを是非開発して欲しいと要望を出し、毎年デンタルショーの度にお願いしていました。
一昨年の暮れの地区歯科医師会の勉強会に社長が製品のプレゼンに見えられた際、「いよいよ来年の春に発売できます。」と言われ、当院も開業30年を迎え大幅な改装を計画していた為、グッドタイミングでした。
しかし、昨年の震災の影響で設計等を大幅に見直し、電気をLED化するなどの省電力化を推進した為、結局開業は年末からとなってしまいました。
矯正医にとってレントゲンは必要不可欠なもの、しかし今回の震災で患者さんの被爆に対する関心も高まってきたので、被爆量の少ないパノアクトを使用している事も好印象となった様ですし、以前に比べ撮影時間が少なくなった事も同様の印象を与えている様です。
昨年の暮れに大学の同窓会があり、後輩がデジタルレントゲンを導入しようとしている事を知りパノアクトを薦めてみましたが、「壊れた時のサービスが心配なのでY社にします。ユニットもY社なので」と言う事で非常に残念でした。壊れた時の事を考えてレントゲンを選ぶと言う事は冒頭に私が述べた様なシーメンスの画像の良さに憧れを抱きながら価格面で購入出来ず他社を購入したと言う事ではなく、同等の価格でもレントゲンの本質である画像の解像度は重視しないと言う事なのでしょうか?
レントゲンは診断には重要なツールだと思っています。
「百聞は一見にしかず」という諺がパノアクトにはぴったりだと思います。それは長所を何回も聞かされるより1回見るだけで充分良さが理解できると言う事です。
また後輩が心配していた様なアクシオン社の現在までのアフターサービスも申し分なく、
故障もしない装置である事は申し添えておきます。
私には一つ残念な事があります。
それは当院が矯正歯科専門開業である為にパノアクトの特徴であるデンタルとパノラマを同時に保険請求出来ると言う恩恵を享受出来ない事です。しかしこの事からも私が画質重視で当機を選んだ事がお解り頂けると思います。